曙ブレーキ工業と事業再生ADRの研究#4

収益性の分析にイマイチ内容がないので、補強していこうと思います。そのために、次の表を作成してみました。

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A:売上高増減比率-売上原価増減比率

B:売上高増減比率-販売費及び一般管理費増減比率

C:売上高増減比率-売上原価・販管費増減比率

 

緑色で色付けされているのは売上高が増加している以上に売上原価・販管費が増加している年で、赤色で色付けされているのは売上高が減少しているがその減少比率ほど売上原価・販管費が減少していない年です。
まぁ売上高の減少比率に比べて売上原価の減少比率が低くなるのは製造業ではありがち(避けにくい)ことだと思います。それは、固定費(主に減価償却費)の存在があるからです。

でも、2012年と2017年の販管費は明らかに異常な気がします。売上高は減少しているのに前年度比で10%以上増えている。なにが原因なのでしょうか...これについては有報の主要販管費の項目をにらめっこしなければわからないですね...あーめんどくせ...

 

一方で売上が上昇トレンドにある際にそれ以上に売上原価の増加比率が高いのはちょっと納得がいかないですね。(売上高(製造個数)が増えると単位あたり固定費は逓減するはずなので)

そういうことが起きる場合の要因として考えられるのは①採算ので出ない商品を大量販売している(価格設定のミス)②従来の変動費に加え別の変動費が新たに発生している、ですね。
まぁもう曙ブレーキ工業で何があったか知っているので、①と②のどちらが主要因であったかというと②ですね。
前回までのポストであったように急な受注量の増加に現場が追いつかなくて、臨時職員の雇用や緊急輸送費が発生した、というやつです。

 

次回までには、販管費の分解とC/Fの分解、P/Lの特別利益・特別損失の欄を見ておきたいですね。