企業価値評価#1 日本水産(1332)

今回は、日本水産㈱(1332)の企業価値評価にトライしていきたいと思います。

 1.当該企業を選んだ理由

証券コードが一番若い企業だから。 以上!

2-1.CAPMを計算する

今回は(も)DCF法を使って企業価値を算定していきたいと思います。
割引率であるWACC(加重平均資本コスト)算定する為にCAPM(株主資本コスト)を算定して行きたいと思います。

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PER(株価収益率)の逆数(1/PER)から株式利回りを計算。株式利回りからリスクフリーレートを控除することでリスクプレミアムを計算することができる。

2-2. βを計算する

過去5年分の株価データを元にβ(日経平均ver,TOPIXver)を計算。今回はその平均値を使っていきます。

(一応10年分の財務データがあるので10年分計算しましたが、今回は使いません)

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β 今回は2017年のβは2012年4月末から17年3月末までの株価データを元に計算している。

2-3.CAPM(株主資本コストを計算)

CAPMの式を使って株式コストを計算していきます。

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CAPMは7.459%となった。

3.WACC(加重平均資本コスト)を求める

自己資本比率はバフェットコードから。負債コストは支払利息/(期首有利子負債+期末有利子負債)/2で期中平均有利子負債で利息を割ることで求めました。

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WACCは2.7937%となった。

4.継続価値を計算するために成長率を求める

さて、DCF法による企業価値は大抵今後5年間ほどのFCFの見積もり価値に加え、その後(5年目以降)のFCFの価値を計算して割り引くことによって現在の事業価値を計算します。企業は永遠に事業活動を行うという仮定のもとで計算するとn年目以降(今回は5年)の事業価値については

等比数列によって

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という式で表すことができます。なお、入江は数学は高校で留年しかけるぐらい苦手なので数学的な理屈は理解していません。

以下はイメージ図です。

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DCF法による企業価値のイメージ


(あと、今回の記事ではFCF(フリーキャッシュフロー)についても全く説明していないので自分の知識の整理のためにもまとめの記事を書かないといけないですね...)

話がずれましたが、継続価値をを計算する際の分母を計算するために10年間の年平均成長率を計算したのですが....

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CAGR(年平均成長率)

どれもWACCより大きい....

 このまま計算すると、分母がマイナスとなることで継続価値がマイナスとなってしまいます...DCF法的にそれはまずないことなのでどこかがおかしいということになります。

 

私が企業価値を計算する際には、WACCが極端に低くなりWACC-成長率がマイナスになるケースがしばしば発生します。
今回の日本水産㈱の場合ROEが13%なので、順当に考えて10%程度のWACCがあってしかるべきなんですが...
日本は国債の利回りが低いのでCAPM、ひいてはWACCも低くなってしまう傾向にはあるのですが、それにしてもこれは低すぎですね。

 どうしたものか🤔

WACC-成長率がマイナスになってしまい企業価値の推定は非常に困難になってしまいました。いつもは時間の都合などで無理やり割引率がプラスになるように調整したりするんですが(オイ

この問題が解決しない限り、これからもまともな企業価値が難しいと思うので、今回はこの辺にして次回からはこの継続価値の割引率について自分なりに考えていきたいと思います。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました。読者の方でファイナンスにつよい方がいらっしゃいましたら、是非助言や参考になる図書を教えてください。宜しくお願いします m(_ _)m